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大工技術と大工育成

 先日、当社のインスタグラムにて私達の大工の技術を
見ていただきたいと思い、大工の刻み加工場へ行きました。
鉋引きと金輪継ぎの仮組みを撮影してきましたが、
木を思い通りに加工する大工技術に対してあらためて感動を覚えると同時に、
このすばらしい技術は絶対に無くしてはならないと思いました。
 
 1980年に93万人いた大工は、2015年には37万人に減少しています。
今後は2020年には30万人、2030年には20万人にもなるといわれています。
2015年統計によると35万人中、60歳以上の大工は全体の38.7%(約14万人)は
60歳以上の方々です。
そしてこれからを担う若年層大工は、20代の大工は8.5%で3万1740人、
10代の大工はなんと2150人しかいないという状況です。

このままいくと大工1人当たりの新設住宅着工戸数が2戸だった2010年時点を
供給バランスがとれていたとすると、
「2030年には建設現場の労働生産性を1.4倍にまで引き上げないと、
約60万戸の需要でも供給できなくなる可能性がある」と指摘されています。
私達住宅業界にとって大工のなり手不足は、極めて深刻な状況なのです。

 この問題について、私達の所属している工務店の団体(JBN全国工務店協会)でも
大工育成ガイドラインを策定するなど、家づくりの要になる大工の減少を
少しでも防ごうと活動しています。
そして私達サン工房も一昨年度から社員大工を入れ育成を始めました。
この春からはもう一人新しい社員大工を育成していく予定です。

 私達は「日本の家をつくる」と言っています。
それは昔ながら日本の家づくりの良いところは残しながら、
日本人の現代の生活や考え方、時流に合った家づくりをしようということです。
そのためにはこれまでの日本の大工が培ってきた技術はまだ絶対に必要だと思っています。
なぜなら、そこには綺麗さや美しさはもちろん、
丈夫で長持ちするやり方がたくさん詰まっているからです。

 こんな素晴らしい技術は絶対に無くしてはならないと思います。
私達は微力ではありますが、これからも素晴らしい技術を持った大工が
力を発揮できるような家づくりをし、認めていただくことで、
この地域において少しでもそのような日本のモノづくりの技術が
残っていくと良いなと思っています。

袴田英保

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by sankoubou | 2019-02-19 10:17 | 想い

設計者の想いと会話をつづりました


by sankoubou